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イギリスのEU離脱で、特許・商標についてすべきことは?





 

古谷国際特許事務所ニュースレター266号
(C)2021.1 FURUTANI PATENT OFFICE
2021.1.29



概要


・イギリスのEU離脱(ブレグジット)の移行期間が、2020年末に終了した。
・イギリスを指定国に含むヨーロッパ特許出願については、特別なことを何もする必要はない。
・2021年1月1日時点で登録済みのEU商標権(マドプロ経由を含む)/共同体意匠権については、イギリスの特許庁が対応するイギリス商標権/意匠権を自動的に付与してくれる。
・2021年1月1日現在で未登録のEU商標出願(マドプロ経由を含む)/共同体意匠出願については、改めて、2021年9月30日までにイギリス国内出願を行うことで、EU商標出願/共同体意匠出願の出願日に出願したものと扱ってもらえる。


詳細


特許について
 ヨーロッパ特許庁は、EUに属する機関ではないため、イギリスのEU離脱は、ヨーロッパ特許出願に関して何も影響がない。
 したがって、ヨーロッパ特許出願に関しては、既に出願済のもの(やイギリス特許付与済のもの)について、特別な手続をする必要は全くない。
 さらに、これから行うヨーロッパ特許出願についても、イギリスに関して、従来と全く同じ手続をすればよい。
 ちなみに、イギリス在住のヨーロッパ特許代理人は、今後も、ヨーロッパ特許出願について代理人としての資格を有する。したがって、ヨーロッパ特許出願について、イギリスの代理人に依頼されている場合、そのまま継続してイギリスの代理人に依頼することができる。


商標について
・登録済みのヨーロッパ商標
 登録済みのヨーロッパ商標(マドプロ経由を含む)については、2021年1月1日以降、イギリスでの効力はなくなる。
 2021年1月1日の時点で、上記登録済みのものについては、イギリス特許庁が、対応するイギリス国内商標権を自動的に付与してくれる。当然であるが、イギリス独自の権利であるから、次回の更新手続は、ヨーロッパとは別に行う必要がある。
 ただし、イギリス特許庁からの連絡を確実に受けるようにするため、当該国内商標権についてのイギリス代理人を選任しておくことが好ましい。
・出願済のヨーロッパ商標
 2021年1月1日の時点で、登録されていないヨーロッパ商標出願(マドプロ経由を含む)は、改めてイギリス国内商標出願を行うことで、元の出願日を確保することができる。その期限は、2021年9月30日である。
・代理人について
 ヨーロッパ商標出願について、イギリスの代理人は、今後代理ができなくなる。ヨーロッパ商標出願については、欧州連合知的財産庁(EUIPO)への代理権限を有する欧州経済領域(EEA)の代理人に依頼する必要がある。


意匠について
・登録済みの共同体意匠
 登録済みの共同体意匠については、2021年1月1日以降、イギリスでの効力はなくなる。
 2021年1月1日の時点で、上記登録済みのものについては、イギリス特許庁が、対応するイギリス国内意匠権を自動的に付与してくれる。当然であるが、イギリス独自の権利であるから、次回の更新手続は、ヨーロッパとは別に行う必要がある。
 ただし、イギリス特許庁からの連絡を確実に受けるようにするため、当該国内意匠権についてのイギリス代理人を選任しておくことが好ましい。
・出願済の共同体意匠
 2021年1月1日の時点で、登録されていない共同体意匠は、改めてイギリス国内意匠出願を行うことで、元の出願日を確保することができる。その期限は、2021年9月30日である。
・代理人について
 共同体意匠出願について、イギリスの代理人は、今後代理ができなくなる。共同体意匠出願については、欧州連合知的財産庁(EUIPO)への代理権限を有する欧州経済領域(EEA)の代理人に依頼する必要がある。


参考情報
英国のEU離脱(ブレグジット)による特許・商標・意匠等への影響(日本国特許庁サイト)



NOTES


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